2017年8月1日

山元 浩平

Q1. 経歴について簡単に教えてください。

皆さん、こんにちは! AI Dojo の塾長をしております、山元浩平と申します。よろしくお願いします!

私の経歴を簡単に紹介いたしますと、慶應義塾大学理工学部電子工学科を卒業後、シリコンバレーのスタートアップ、ウェディングプランナー!?等を経て、東京大学大学院情報理工学系研究科に入学しました。その後、共同研究として Yahoo! Japan 研究所、フランスの研究機関 Inria 等で人工知能に関する研究を行い、人工知能の会社 Corpy&Co., Inc. を創業して今に至ります。

関連する専門分野は、機械学習、Deep Learning、マルチメディア(コンピュータビジョン、自然言語処理)、Web(推薦システム、オンライン広告・UI最適化)、感性情報処理等です。

研究としては、推薦システムの最高峰国際会議の RecSys のワークショップや、Web の最高峰国際会議の WWW 等で研究論文発表を行いました。また、ヤフー株式会社にて、オンライン広告のクリック率予測の特許を取得したりもしました。

逆にビジネスとしては,機械学習システムの受託開発やコンサルティングを行いながら、自社プロダクトの開発や AI Dojo の前身となる人工知能技術のパーソナルトレーニング事業を行ってまいりました。

 

Q2. AI Dojoをはじめたきっかけは?

AI Dojo をはじめたきっかけは大きく分けて2つあります。

1つ目は、単純に周りの人から“機械学習教えて!”、“データサイエンス教えて!”、“ディープラーニング教えて!”と前々から非常によく言われており、ものすごく需要があるんだなぁと日々感じていた、というのがあります。

2つ目は、先程言いましたように、私はアカデミアとビジネスの境界で人工知能、特に Web やマルチメディアの研究を行ってきたのですが、研究発表等で推薦システムや Web の国際会議に行くと、日本人のプレゼンスの低さを痛感することがあったからです。これは、決して日本の人工知能や機械学習の研究者のレベルが低いというわけではありません。海外の研究機関で研究を行った経験もありますが、海外と比べても日本の研究者のレベルは非常に高いと思います。少なくとも、東大でもヤフーでも、私の周りには私よりもずっと優秀な研究者が本当にたくさんいましたし、そういう尊敬できる素晴らしいスーパーバイザーや同僚と一緒に研究を行うことが出来たのは、私にとって非常に幸せな経験でした。

しかし一方で残念なことに、よく言われていることではありますが、やはり日本では産業とビジネスの間にまだ大きな谷があるように感じます。例えば、推薦システムや Web 広告等の技術は、Google や Facebook、Amazon など、世界的 IT 企業が最も熾烈な競争を行っている分野の1つであるにも関わらず、この分野は研究とビジネスの境界領域なので、日本ではなかなか研究を行うことが難しいのが現状です。

これから日本が人工知能技術で世界と戦っていく上でも、この境界領域で戦う仲間をもっと増やしていきたい!という思いがあり、AI Dojo を始めました。

私もまだまだひよっこの若造ですが、少しでも日本の人工知能人材育成に貢献できれば本望です。

アカデミアとビジネスの境界や、人工知能人材育成につきましては、ヤフー株式会社の安宅さんが経済産業省の産業構造審議会新産業構造部会で発表された資料が非常に詳しいので、是非参考にされてみてください。

安宅和人さん, ““シン・ニホン” AI×データ時代における⽇本の再⽣と⼈材育成”,  経済産業省産業構造審議会新産業構造部会, 2017年2月

http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/013_06_00.pdf

 

Q3. AI Dojo ではどのような講義を担当していますか?

人工知能ビジネスコース、データサイエンス入門コース、機械学習エンジニアコースの全コースを担当しています。自分が研究の世界で培ってきた機械学習の理論的知識と、実際に会社を起こして人工知能システムの受託案件やコンサルティングを引き受けてきた中で経験的に獲得した、ビジネスに人工知能を取り入れるにはどうすれば良いかという実践的知識の両方を、皆さんに提供できればと思っています。

 

Q4. 講義をするにあたって心がけていることはありますか?

私が研究を行っていたときにテーマにしていたことは、“人工知能技術で、ユーザに対する最適なコンテンツ提供を実現する”ことでした。

これを行うためには、私は2つのステップが必要だと考えています。1つ目は、“各ユーザにとって最適なコンテンツを推定する”こと、そして2つ目は、“1で推定したコンテンツを最適な形でユーザに提供する”ことです。どちらか一つだけでは十分ではなく、2つ揃って初めて最適なコンテンツ提供になると考えています。

人工知能の技術で言うと、1は推薦システム(おすすめ機能)やオンライン広告の技術、2はUI・UXの最適化や要約生成の技術などが考えられます。

例えば、モバイルニュースアプリにおけるニュース提供で考えると、まず、そのユーザが興味を持ちそうなニュースを推薦システムで推定し、それを最適な形(ヘッドラインやサムネイルなどの要約を生成し、スマホで見やすいUIにするなど)にして提供するといった感じです。

いずれこのように、コンテンツ提供は人工知能がより多くその役割を担っていくことでしょう。しかし、現状ではやはりまだ人工知能技術だけで、それを熟練の専門家のように実現することは非常に難しいです。広い意味で AI Dojo も人工知能について学びたいというユーザの皆様に対する講義というコンテンツの提供です。

ですから私が講義をする際は、この2つを満たすように、まず、皆さんが本当に必要としている情報を推定し(絞り)、最もわかりやすい講義形式にして集中的に伝えるということを心がけています。今や、書店に足を運べば人工知能や機械学習に関する書籍で溢れ、数多くのオンラインコンテンツも存在します。しかし専門家ではないほとんどの人にとっては、その中でどれが必要でどれが不必要か判断することは非常に難しいです。多くの人が、膨大な情報を前に、どこから手を付ければいいか分からず、足踏みしているのではないでしょうか。実際私自身も最初はそうだったので、その気持は非常に良くわかります。そこで、私が研究や実務を通して学んできたエッセンスをわかりやすく伝えられればと思っています。

 

Q5. 受講生へのメッセージ

10時間×2日間 というのは実際かなりハードです。脳ミソが悲鳴を上げそうになります。でも、だからこそそれを乗り越えた後には、明らかにパワーアップした自分自身を実感できるはずです。
カルピスの原液のような、濃厚で濃密な時間を過ごしましょう。私はドSですのでビシバシ指導します。ついてきてください!

仕事を、人生を、そして世界を変えるために、今AIという武器を手に入れましょう。